2007年2月27日、NGOアリーナ主催の講習会「企業が行う環境配慮活動の現状とNGOとの関わり」が開催された。

 当日のプログラムは以下のようであった。

(1)NGOと企業の双方の視点紹介
 環境プランニング学会事務局長代行/環境プランナーER/ ISO審査員/元野鳥の会勤務 上原健
(2)企業の環境配慮活動の実際
 オリンパス株式会社 前環境推進部部長 恒藤克彦
(3)NGOと企業のコラボレーションの在り方
 環境アリーナ研究機構 副理事長 河野容久

講習の要点をまとめると以下のようになる。

株式会社のCSR(corporate social responsibility)担当者には、上級・中級・初級がある。

上級の人は、ゆたかな自然をまもるためにとりくむ。約10パーセント。身近な自然をとりあげるとよい。いかに身近にするか。

中級の人は、自分の体をまもるためにとりくむ。食品の安全性の問題などをとりあげる。マグロにはPCBが蓄積している。大阪湾のアサリは食べない方がよい。

初級の人は、自社の利益をまもるためにとりくむ。生きのこりのために、結果としての売上を配慮する。ブランドを高める努力をする。(かならずしも本当に環境が大事だとは感じていない(成果をあげて移動したいという人もいる)。

CSRはどこからはじめてもよい。目的と手段を明確にする。相手が何を必要としているか? ニーズをつかむと答えは早い。CSR報告書を読んで、どこに寄付しているかをつかむ。そのとき、社会-環境-経済のトリプル・ボトムラインをおさえる。このうち社会は、人権・労働・製品からなる。

株式会社(企業)は利益を生みだすことを目的にしている。お客様・株主・銀行などの動向をいつも見ていて、すぐに反応する。

それに対して、NGOは、目指すところがあいまいな組織が時々ある。つよい思いだけでうごいているところもある。思いのすべてを実現することはできない。最終的に目指すところが明確でなく、手段をえらびすぎている。

CSRに取り組む場合は、この相手にはこれでいこうというものを見つけだして、コーディネートしていくことが大切である。「あなたか私」ではなく「あたたと私」である。相手がどんな価値を持っているか。相手がどんな技術を持っているか。相手がどんなイメージを持っているか。どうせ価値を高めるならいいことをやりたいと企業はおもっている。

たとえば、オリンパスは防水カメラをつくっており、水中で3時間つかえるカメラはオリンパスだけである。そこで、水中の自然保護にとりくめばよい。オリンパスのCSR評価基準は、運営体制・長期目標・汚染対策・資源循環・製品対策・温暖化対策・オフィスの7項目である。

なお、企業の場合、製造業とサービス業とでは基本的な考え方がちがう。製造業は、原価計算をしてそれらをつみあげていく。それに対してサービス業は、マーケッティングをして価格を決める。価格は常にゆれうごいていく。

たとえば、製造業のソニーは、プレステを販売したが高価すぎて売れなかった。同業他社が同様な商品を低価格で販売して競争に勝てなかった。マーケッティングをやっていなかったのが問題である。よそにない、他がやっていないことをやっているうちはよかった。

楽天は、ショッピングモールをたちあげるときに、まず、みんなが払える金額はいくらかとかんがえ、5万円を設定した。その次に、5万円にするには、どういう機能にしたらよいかとかんがえた。

CSRや環境配慮は、去年からまったく流れがかわってきたそうである。この新しい領域に踏みこむことはそれ自体が冒険的で楽しいことであり、未開拓の領域を開拓していくパイオニアワークである。このような取り組みがあたらしい時代の潮流をつくりだしていくとかんがえられる。